中小企業診断士にしろライターにしろ、「文章を書く」ということが欠かせない職業です。

でもって同時に「人の書いた文章を読む」ということも、おそらく非常に多い職業なんです。それも、文筆のプロじゃない人の文章を、です。

 

いわゆるビジネス文書であれば「型」のようなものが決まってますし、ググればいくらでも「間違いのないテンプレ」が見つかります。
コレ使ってりゃとりあえず問題ないよね的な。ボクも悩んだら使いますし。

 

ところがフリースタイルの文章となると、参考にするものがない。
自分が読んできた本だったり新聞記事だったりブログだったり、インプットの蓄積からひねり出すしかないんです。

だから途端に地というか素というか……出るんですよね。

 

そういうのをたくさん見てきた結果、文章が苦手な人が陥りやすい日本語のワナがあることに気付きました。

今回はそんな日本語の特徴のお話です。

「日本語で書く」という日本人なら誰にでもできることだからこそ、ちょっとできると「おっ、イケてるねぇ」って思われること、請け合いですよ!!

 

日本語はほっとくと曖昧化する

「ご注文の方は以上でよろしかったでしょうか?」

有名な「間違ったマニュアル敬語」としてそのスジではよく知られる例文です。
この一文を読んで、違和感を持ったアナタはセンスあります。

予めお断りしときますけど、この文が正しいとか正しくないとかいう話じゃあありません。

今回注目したいのはご注文のという言い方(書き方)です。

 

冷静によく見ると、この文は「ご注文『は』以上でよろしかったでしょうか?」で成立しますよね。
(「よろしかったでしょうか?」の部分の時勢が過去になってることの是非も諸説ありますが、こういう過去形の使い方は東北・北海道地方では方言でフツーにあるんで、フナコシは肯定派です)

 

より厳密なことを言えば「ご注文の『方は』以上でよろしかったでしょうか?」と表記するのは、「ご注文」以外の何かも一緒に承ったときだけです。

居酒屋で、

「すんませ~ん、ビール2つと、あと割りばしもう一膳くださ~い」
「かしこまりました~、割りばし一膳ですね!! ご注文の『方は』以上でよろしかったでしょうか?」

みたいなやりとりでない限り、日本語のテストならバッテンを食らいかねない。

 

なのに人は「ご注文の『方は』」という、ぼやかした表現をしがちなんです。
図にするとこう!!

「ご注文」は「ご注文の方」よりターゲットが狭いんですよ。
できればターゲットを広くとって、取りこぼしをなくしたい。

 

こうした心の働きは、日本語だけでなく世界中のいろんな言語にあります。
英語でもmaybeはよく使います。
「曖昧≒丁寧」という、人間の一種のクセみたいなもんですね。

ましてや日本では長らく文化的に「自分を強く主張しないことが美徳」とされてきました。

 

もう言語でも文化でも曖昧「な方」に、逃げまくりたいんです。

 

惰性で言葉を使ってはいないか

この曖昧化=丁寧化を無意識にやってるか、意識して使い分けているかどうかが「日本語の上手・下手」に大きく関わってきます。

 

「パソコンなどお持ちでしょうか?」
「ご予定の方、いかがでしょうか?」
「最近何かドラマとか見ました?」

 

日常にあふれるこんなぼやかし表現、そのウラにある真意について「この人は丁寧な表現をしようとしたかったんだな」とか「なんとなく使ってるだけだな」とか「文字数の調整かな?」とか、ちょっと考えるだけで日本語の筋トレになります。

モノ書きを目指す人もそうでない人も、日本に住んでいる以上は日本語での表現からは逃れられません。

どうせ逃げられないなら、乗りこなしてみませんか??